お見合い夫婦の結婚事情～カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています～

会議資料

　さらに数週間が経った。
　真帆の気のせいでなければ、蓮の行動には少しだけ変化があった。よく秘書室へ出てくるようになったのだ。
　そして一条と打ち合わせたり、資料の確認をしたり、直接男性２人のアシスタントに指示を出したりすることもあった。そんな姿はとても自然で、もしかしたらここ最近彼が副社長室にこもっていたのは、新しく入った真帆を避けるためだったのではないかとすら思うくらいだった。
　真帆に声がかかることはなかったけれど、まだ入社したてでやれることが少ないのだからそれはそれで仕方がないと思った。
　一方で、総務課で滞りがちだった力仕事や危険な仕事に関しては、外部委託も視野に入れた洗い出しが始まったとゆかりから聞かされた。
　何もできない新入社員の真帆の意見も彼は無視しなかったのだ。