世界No.1の総長と一輪の花 両想いバレンタイン(詩優side)
数秒見つめあって、すぐ目を逸らされて、後ろをむかれた。
「……」
……怒った?
それとも花莉は……
俺が囲まれても関係ねぇ、
なんとも思わねぇ、
見たくもねぇ、ってことか?
……ヤキモチとか妬かねぇの?
「妃芽乃さんってヤキモチ妬かないんだね」
俺が思ったことと同じ言葉が聞こえてきた。
そう呟くように言ったのは周りにいる女の誰か。
「夜瀬くんは妬かせたいと思わないの?」
するりと俺の腕に自分の腕を絡めてくる女。
これは悪魔の囁き。
こんな誘いに乗ったら花莉を傷つけることになる、そうわかっていたがほんの少しでも心の底で「妬かせてぇ」とか思ってる最低な俺。
だから女の腕をすぐに振り払うことをやめてしまった。
「もうハンバーグ作ってあげないもんっ……!!」
耳に届くのは花莉の大きな声。
彼女はそう言って、くるりと後ろを向いて全速力で走っていく。
一瞬だけ見えた花莉は……
涙目だった…。
今度こそ全力で女たちの腕を振り払って、花莉の後を追う。