世界No.1の総長と一輪の花 両想いバレンタイン(詩優side)
「……もう1個…食べる?」
小さく聞こえてきた声。
ん?
もう1個?
もう1個って……今の甘い甘いチョコ味のキス?
いやいや。期待しすぎんな、俺。
もう1個って花莉は言ったんだ。普通に手渡しでくれるってことだろ……。
たぶん。
きっと、手渡しの方。
「…食べる」
期待は捨てきれないが、そう返事をすれば花莉は俺から離れて。
膝の上に乗ったままチョコがたくさん入った袋へと手を伸ばす。
その袋の中から花莉はからチョコをひとつ取り出すから、俺は手を出した。
手を出したんだけど……
そのてのひらにはチョコは置かれなくて。
花莉は包み紙をとって、それを自分の口へと咥えた。
「!?」
そっちか…!!
嬉しいけど…!!なんかまじで、今日の花莉は積極的じゃねぇ!?
いつまでも動かないでいる俺に、花莉はゆっくり顔を近づけて。
潤んだ瞳でまっすぐみつめてくるから、心臓がバクバクと暴れる。
口を近づけて、ぱくりとチョコを食べようとしたら
キーンコーンカーン
とチャイムが鳴り響く。
まさかこのタイミングで鳴るとは思わなくて…
ドキッと心臓が思いっきり跳ねた。
それは俺だけではなかったみたいで、花莉もびくっと肩を上げる。