琥珀色の夕焼け、空を映した青
◇ ◇ ◇

「いいですか、フェリシア様。貴方様にはレイヴァンズ国の未来がかかっているのです。その事をお忘れになられませんよう」
 立ち居振る舞いについて長々と説教された後、カーマストラ大臣にそう言われた。
「心して参ります、大臣」
 殊勝に見せかけてそう答えつつ、私は腹の中で思い切り舌を突き出していた。
 あんたがコウにした事、今でも許してないんだから。思い出すたび腹がたつ。


 コウは、うちに来る前は城下街に居た。父親が病に倒れ、コウの母親は彼が物心ついた時からずっと、身売りして家族を養っていたという。生活苦など御構い無しに上がる税金。十三歳の時、視察に来た大臣を見かけたコウは思い切って近寄り、直談判した。
 生活が苦しいのです。どうか助けてください。
『身分を弁えろ、無礼者』
 捨て身の嘆願に返ってきたのは、足蹴にするような冷たい言葉。
『礼儀を教えておけ』
 たまたまお忍びで銀食器を売った帰りに、私は警備隊に鞭打たれているコウを見つけた。ぼろぼろに傷付いたコウは、介抱しようとした私に掴み掛かって激しく怒りをぶつけてきた。
『偉い人なんか、みんな死んじまえばいいんだ……!』
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