琥珀色の夕焼け、空を映した青
レシュノルティアの王宮は、小高い丘の上にあった。眼下に海を望む、古い城壁に囲まれた由緒ある宮殿に各国の紳士淑女が集っている。
「ふわぁ……」
覚悟はしていたけれど、格が違った。本物のお姫様方は一挙一動、微笑み方や指先の動き一つにまで隙が無い。微笑談笑の中に一筋張り詰める、何とも言えない緊張感。自分がどれだけエセ姫なのか、実感させられる。
「大丈夫ですか、姫様」
コウが耳元で囁く。引きつった笑みで頷くと、小さく吹き出された。
「大丈夫。黙っていれば立派な淑女に見えます」
「一言余計よ」
公式の場が初めてのコウの方が断然余裕だ。まるで元から王室付きの執事みたい。
色とりどりの華やかなドレス達が優雅に行き交う。美しい女性をさらに美しく見せる、煌びやかな宝石達。褒めあう笑みの下に隠した、値踏みするような視線。
自分のシンプルな若草色のドレスが、やけに貧乏くさく思えた。身に付けている宝石といえば、結った茶の髪を留めている、母様の形見のエメラルド一つだけ。
あれは誰? 随分質素ね。そばにいたら、引き立て役になってくれそう。
そんな囁きが背後から聞こえて、怖くなった。分かってはいたけれど、私はかなり場違いだ。
「胸を張ってください」
囁かれて見上げると、優しい琥珀色の目が細められた。
「姫様が一番綺麗です。自信を持って」
そっと背中を押してくれる。私が気弱になっている時、コウは必ず勇気付けてくれる。
「ありがとう」
深呼吸し、笑みを返し、私は戦場へ向かった。
「ふわぁ……」
覚悟はしていたけれど、格が違った。本物のお姫様方は一挙一動、微笑み方や指先の動き一つにまで隙が無い。微笑談笑の中に一筋張り詰める、何とも言えない緊張感。自分がどれだけエセ姫なのか、実感させられる。
「大丈夫ですか、姫様」
コウが耳元で囁く。引きつった笑みで頷くと、小さく吹き出された。
「大丈夫。黙っていれば立派な淑女に見えます」
「一言余計よ」
公式の場が初めてのコウの方が断然余裕だ。まるで元から王室付きの執事みたい。
色とりどりの華やかなドレス達が優雅に行き交う。美しい女性をさらに美しく見せる、煌びやかな宝石達。褒めあう笑みの下に隠した、値踏みするような視線。
自分のシンプルな若草色のドレスが、やけに貧乏くさく思えた。身に付けている宝石といえば、結った茶の髪を留めている、母様の形見のエメラルド一つだけ。
あれは誰? 随分質素ね。そばにいたら、引き立て役になってくれそう。
そんな囁きが背後から聞こえて、怖くなった。分かってはいたけれど、私はかなり場違いだ。
「胸を張ってください」
囁かれて見上げると、優しい琥珀色の目が細められた。
「姫様が一番綺麗です。自信を持って」
そっと背中を押してくれる。私が気弱になっている時、コウは必ず勇気付けてくれる。
「ありがとう」
深呼吸し、笑みを返し、私は戦場へ向かった。