続・闇色のシンデレラ
SIDE 剛


あれから、ちょうど7日経った。


壱華さんの見立て通り神木のガキんちょはよく働く。


今年で15歳になるにしては身体が小さいのが難だが、なんでも器用にこなす少年だった。


それに過酷な現実を生き延びてきたせいか大人びているというか、子どもらしからぬ冷静さを身につけていた。


それが一部の住み込みの若いのは気に食わなかったのか。


影で殴られたり、わけもなく怒鳴られたりする凛太朗を見かけるようになった。


出る杭は打たれるというが、これでは出る前から打ちのめされてしまう。


俺が注意してやってもいいが、それ以前に壱華さんは目ざとく変化に気がついていた。




「……反吐が出る」



ある日その様子を見かけ、珍しく暴言を吐いた壱華さん。


そういえば、壱華さんがあの姉妹を見かけたのは去年のこの時期だったか。


理不尽な環境で生きてきた自分と、今の凛太朗を重ねてしまうんだろう。
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