続・闇色のシンデレラ
SIDE 壱華



「志勇、聞いてる?凛は剛さんみたいに身体も大きくないんだから意地悪なんてしちゃダメ」

「あ?剛だったらいいのか?」

「また屁理屈を言う……そういう問題じゃないの」



わたしの腕を引いて離れに戻る志勇。

リビングに入ると彼はテーブルに置いてあった書類を手に取りソファーに座る。



「お前、子どもができて気が強くなったよな」

「話をはぐらかさないで。うぷっ……」



そして脚の間にわたしを座らせたかと思うと、志勇は故意に手に持っていた書類でわたしの顔を覆う。




「もう、何!?」

「読め」

「へ?」

「いいから、読め」

「……招待状……配布予定……?」



顔に貼り付けられた書類を見ると、しおりのような冊子が。



「7月にやるパーティーの仮の予定表だと」

「何のパーティー?」

「毎年春に開催する荒瀬組の決起集会みてぇなもんだ。
今年はズレ込んで夏になった」

「へえ……」



決起集会なんてあったんだ。

ああ、でも今年は、抗争が終結した直後だったからできなかったのか……。




「それとシンデレラの大々的な披露目と懐妊祝いも込み」

「は?」

「だから、パーティーを利用して壱華を見せびらかすんだと」

「はあ?」
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