ストレンジ

「………アキラ?さっきから何しゃべってんの?読書に集中出来ないんだけど。」

真君がやっと顔を上げた。

「転校生の高橋陸君がきたよ。ほら、今君の隣に立ってる男の子。」


真君が明らかに僕のいない場所を見た。


何!?どこ見てんのどこ見てんの?


とりあえずもう一回挨拶しとこ……


「よろしく。真君。」


「……………」

「陸がよろしくだって。」


真君がやっとこっちを向いた。視点があってないけど。心なしか……ていうかめちゃめちゃ嫌そうな顔をしている。


「よろしく………」


なんか存在否定された気分。

「陸。次行こう。もうすぐで朝学活始まるよ。」


「うん…………」


始めて存在否定されたよ。チキショー……


次にアキラが向かった所は例の不良少女のいる席。


怖いんですけど。さっき薬とか言ってたんですけど。

「アキラ…待っ……」


「あ、後ろの転校生っすか?」


僕の人生さようなら。


「高橋陸君だよ。みちるに挨拶したいんだってさ。」


いつ誰がしたいって言ったんだ。僕は一言も言ってないぞ。


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