春学恋愛部
「わぁ、すごーい。どれにしよっかなー」
オシャレ大好きな鈴花が目を輝かせる。
クリスマスパーティの衣装は提携しているレンタル衣裳を着用してもよいことになっていて、大抵の女性は利用していた。

「海原様、柚木様、鈴木様ですね。どうぞお好きなものをお選びください」
店員の言葉に三人が店内をぐるりを見渡すと、色とりどりの衣装が並べられている。

「わたしはこれにしよっかな、じゃ、お先に」
慣れた様子でオレンジ色のドレスを手にして、華が試着室に消えていく。

鈴花も弾んだ足取りで店内を一周した後、「ちょっと冒険しちゃおっと」とチューブトップの紫色のドレスを手にした。

「うーん。こういうの、苦手なんだよね……」
最近はオシャレに興味もあるものの、太っていた時目立たないように暗い色ばかり来ていた柚果は、カラフルな衣装を前に困り果てている。

そんな柚果に、店員が慌てて声をかけた。
「申し訳ありません。柚木さまの衣装は海斗様から指定されておりまして、こちらでございます」

海斗ってば、私が困ると思って?……柚果は「ありがとうございます」と頭を下げて試着室に向かった。
< 112 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop