クールな社長は懐妊妻への過保護な愛を貫きたい
「いつもどっちの方に向かうんだ?」
「駅です。公園を通って」
「なるほど」
ふたりで並んで歩き出す。夏久さんは私の歩調に合わせてゆっくり歩いてくれているようだった。
また嬉しいと感じることが増えて、いつものお散歩コースが特別なものに変わる。
平日の昼間ということもあり、のどかな空気が辺り一面に漂っていた。道を歩く人の数も少なく、ぽつぽつと同じように散歩をしているらしき人の姿や、買い物帰りの主婦、個人経営のカフェの前でのんびり雑談する老婦人などが目に入る。
「この道をまっすぐ行くと公園なのは知っていると思うんですが、実はこっちの横道から行った方がちょっとだけ近いんですよ」
「そうなのか?」
「時間を計ったので間違いないです」
「……なんでそんなことを」
「探検の成果を知りたかったからだと思います」
「探検……」
明らかに呆れられている。でも、冷たい空気は今のところない。
「駅です。公園を通って」
「なるほど」
ふたりで並んで歩き出す。夏久さんは私の歩調に合わせてゆっくり歩いてくれているようだった。
また嬉しいと感じることが増えて、いつものお散歩コースが特別なものに変わる。
平日の昼間ということもあり、のどかな空気が辺り一面に漂っていた。道を歩く人の数も少なく、ぽつぽつと同じように散歩をしているらしき人の姿や、買い物帰りの主婦、個人経営のカフェの前でのんびり雑談する老婦人などが目に入る。
「この道をまっすぐ行くと公園なのは知っていると思うんですが、実はこっちの横道から行った方がちょっとだけ近いんですよ」
「そうなのか?」
「時間を計ったので間違いないです」
「……なんでそんなことを」
「探検の成果を知りたかったからだと思います」
「探検……」
明らかに呆れられている。でも、冷たい空気は今のところない。