クールな社長は懐妊妻への過保護な愛を貫きたい
(なにかで聞いたことがある。好きな人は父親に似ている人だって。……そういうこと?)
どんな人なのかお互いを知る前に夜を過ごし、結婚してしまった。それなのに、父と似た性質の人を選んでしまったというのは興味深い話である。
「そういえば、最初に駅へ向かうって言ってたな……」
「おもしろいものがあるといいですね」
「いつもはあるのか?」
「いえ、特に。でも今日はあるかもしれません」
「……君は前向きというか、ちょっと変わっているというか……。……いや、前向きということにしておこう」
「褒められている気がしないんですけど……」
「気のせいだ」
外がのどかだからか、私たちの間に流れる空気も穏やかで柔らかかった。
どうでもいい話をするだけでも楽しくて、いつもよりずっと早く駅にたどり着いてしまう。
どんな人なのかお互いを知る前に夜を過ごし、結婚してしまった。それなのに、父と似た性質の人を選んでしまったというのは興味深い話である。
「そういえば、最初に駅へ向かうって言ってたな……」
「おもしろいものがあるといいですね」
「いつもはあるのか?」
「いえ、特に。でも今日はあるかもしれません」
「……君は前向きというか、ちょっと変わっているというか……。……いや、前向きということにしておこう」
「褒められている気がしないんですけど……」
「気のせいだ」
外がのどかだからか、私たちの間に流れる空気も穏やかで柔らかかった。
どうでもいい話をするだけでも楽しくて、いつもよりずっと早く駅にたどり着いてしまう。