クールな社長は懐妊妻への過保護な愛を貫きたい
「だから、公園に行くなとか、子供たちに会うなとは言わないでくださいね」
「先に言わないでくれ」
「やっぱり言うつもりだったんですね……?」
「万が一のことがあったら大変だろ。子供なんて加減が利かなくて、なにをしでかすかわからない」
「それは大人だって変わらないと思いますけど……」
「たしかに、君はそうだな」
「……ほら、私自身が危なっかしいなら、どこで誰となにをしても変わりませんよ」
「そういう問題じゃない」
「……わかってます。でも、夏久さんは心配しすぎじゃないでしょうか……?」
「…………」
「ちゃんと、私も赤ちゃんを大切に思っているのは同じですから」

 諭すように言うと、夏久さんと目が合った。
 なぜか足が止まる。夏久さんも同じように立ち止まった。

「いつも、子供のことばかりだな」
「それはもちろんです。だって……」

(この子は夏久さんとの子供だから)
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