クールな社長は懐妊妻への過保護な愛を貫きたい
「君はこの後も夜遊びを楽しむつもりなのか?」
「終電ギリギリまで頑張ってみるつもりでした。でも……帰った方がいいですよね」
「俺もその方がいいと思うんだが、もうちょっと君の話を聞きたい気持ちもある」
「おもしろい話なんてできませんよ?」
「今、もうおもしろいから気にしなくていい」
「……ええと」

 なにがそんなにおもしろいのかと聞こうとして、目が合った。
 ふ、と目元が和んで、表情が柔らかくなるのを見てしまう。

(――なに)

 どくん、と自分の中で心臓が大きな音を立てた。
 優しい笑みから目をそらせない。なのに、どんどん体温が上がって、鼓動が速くなっていく。

「……あっついです」
「どうせ飲みすぎたんだろ。……冷たいお茶と水と、どっちがいい?」
「お茶で……」

 顔を上げていられなくて、ぬるくなったウーロン茶を一息に飲み干す。
 すぐに運ばれてきた冷たいお茶も同様にしてみたけれど、一度生まれた熱は少しも消えてくれなかった。
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