クールな社長は懐妊妻への過保護な愛を貫きたい
「どうした、食べないのか?」
「あんまり……その……」
「つわりか?」
「いえ、それは大丈夫です」
「だったらちゃんと食べないとだめだろ」

 いい香りを漂わせた料理を見ても、やっぱりなにも思えない。
 横にずらりと並んだサプリメントの存在感が大きすぎるせいかもしれなかった。

「君が食べなかったら、子供はどうなる?」
「……そう、ですね」

 知らず、手を握り締めていた。

「赤ちゃんのために……食べないと……」

 無性に胸の奥がもやもやした。むかむかしていると言ってもいい。
 私たちの間を繋ぐのは子供だけで、それ以外になにもないのを思い知った気がした。
 きゅ、と唇を引き結ぶ。

「サプリ……こんなにあるんですし、どうせ飲むんだからご飯は食べなくていいんじゃないでしょうか……?」
「……え?」

 夏久さんが驚いたように私を見つめてくる。
 その目を見返せなかった。
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