春夏秋冬



「出来た」

「おー、ありがとう」


真実に巻いていたビニールとタオルを取って、首筋の髪の毛をはたく。

真実は鏡をチェックして立ち上がった。


「悪かったね、夜遅くに」

「そう思ってるなら違う時間に来いよ」

「だって急に切りたくなったから」


真実は笑った。

家から漏れる明かりに真実の顔が白く浮かび上がった。

くっきりとした目鼻立ち。異国の血の入った顔。

夜の暗さより、真美の背負っているものは暗そうだ。
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