守るべきは・・・誰
11】

☆☆会いたくない


紬の彼である
三樹さんと会い
今後の相談をした。

「春斗さん、忙しい所すみません。」
と、頭を下げる私に
「大丈夫だよ。紬の大切な親友である
結月ちゃんの為だからね。
それに、お仕事だから。」
と、春斗さんは言ってくれた。

春斗さんは、腕利きの弁護士さんで
依頼も多くて、デートする暇もないのよ
と、紬が愚痴っていた・・・・・

申し訳ないと思いながら
私は、今までの経緯を説明した。

心の小さい、薄情な女だと
思われてもしかたないと
思いながら・・・・・

すると、春斗さんは、
「こんな言い方をしては
いけないけど
まだ、浮気とか体の関係があった方が
やりやすい。
罵って、責め立てができるから

だが・・・・
こんな、裏切りはたまらない。
気持ちだけを持っていかれては。

苦しかっただろ?
結月さん、つらかったね。」
と、言われて
私は、声をあげて泣いてしまった。

それから春斗さんは、
私と話をしながら
今後の事を決めてくれた。

・二人で購入した
 マンションは要らない。
・慰謝料も要らない。
・ただ、二人の財産は
 等分にしてほしい。

 私の願いはこれだけ。

だが春斗さんは、
「精神的苦痛があって
仕事にもミスが出て
大変だったんだろう?
旦那さんにも罪の意識を
感じさせた方が良いよ。
それに、マンションを借りたり
荷物を頼んだりしたんでしょ?
その分はもらった方が良い。
旦那さんは、自分は悪くない。
ただ、友人?元カノ?の為
病気なんだから仕方ない
そんな考えだと思うから
きちんと、良いこと悪い事を
知らなければならない、と
俺は思うよ。」
と、言われて
春斗さんにお任せした。

心春さんの一件から
私と陸は、LINEもメールも
電話のやり取りもなくなった。
私が返事もせず
電話にも出なかったからだと思うが。

私は、携帯を新しくして
会社関係者と恭子さん
紬と春斗さんの連絡先だけを
登録した。

結月は、毎日泣き続け
辛い日々を送っていたが
先輩である恭子と
親友の紬のおかげで
なんとか乗り気っていた。

仕事も忙しく
仕事に集中することで
自分自身をなんとか
維持もできていた。


春斗さんからは、
陸から私と話させてほしい
との連絡が入っていると
言われたが······

私は、二度と会う気持ちはない。
一日も早く離婚届を
提出して欲しいと伝えてもらった。
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