守るべきは・・・誰

☆☆小春の最後


それからの俺は、
病院と自宅の往復の日々だった。

結月と二人で暮らしていた
マンションは転居した。

二人で買ったものだから
離婚したときに
結月が出した分は、
全てを渡したかったが
それは無理だった

だけど少しだけでも
返金したかったので
慰謝料と夫婦財産を折半した分
マンション代の一部を
預金の中からと
銀行から借りて渡した。

そのため、生活を維持するのも
難しくなったのと
一人で暮らすには広いし
結月との思い出がありすぎる為
手離すことにした。

そして、陸は病院の近くに
小さなアパートを借りた。


・・・・・本当に・・・・・

自分はいったい
何をやっているのだろうかと
情けなくなったり
悲しみに囚われたり
そんな毎日を過ごしていた。


離婚して
勝手に心春と入籍したことを
心春自身、
はじめは、納得してなくて
怒っていたが
もう動き出したものは
どうにもならないと
何度も伝え続け
だんだんと受け入れた。

だが、日に日に
衰えていく心春・・・・・

一年半を過ぎた頃には
目を開けていることも少なくなり
酸素をつけられ
会話もほぼできない状態だった。

俺は、この一年半の間
会話と言えば
心春の病院関係者と
職場の人と手続きの時だけ


二年を過ぎたときに
心春は、一日の殆どを寝て過ごし
食事もとることもなく
そのまま目覚めることなく
息を引き取った。
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