守るべきは・・・誰

☆☆倒れる


心春がなくなった日に
心春の両親に連絡をした

   ・・・・・・が・・・・・・

「あら、あなたが心春の旦那さんなの?
へぇ、あんな子にも恋人?
結婚をしようと思う人がいたなんて
驚いたわ。
それならあなたに全て任せるわ
よろしくね
入院費等は、きちんとしたのだから
いいでしょ。
あ~あ、やっとあの娘から
解放されるわ。
あの人も同じこと言ったでしょ。
まあ、いいわ。
あっ、それと、
お墓の場所とか
知らせてくれなくていいから。」
と、二人ともに
同じ内容の事を言われた。

もう俺は、文句を言う力もなく
「わかりました。」
と、だけ伝えた。

全てを簡素に終わらせた。
お寺には、永代供養をお願いした。

これは生前
心春からお願いされていた事だった。

心春は、元気な内か
少し調子の良いときなのかは
不明だが
俺宛に手紙を書いていたようだ
まだ・・・・
その手紙を・・・・
開く気持ちに・・・なれず・・・・


全てが終わった時
お墓の前で
俺は、倒れてしまい
和尚さんが通報してくれて
病院に運ばれて
しばらく入院をした。

目を覚ましたとき
母がそばにいてくれて
母親の顔を見たら
涙が溢れた。

母は、俺が落ち着くまで
ずっと、そばにいてくれて
退院するときに
父と母は、
「帰ってきなさい。」
と、言ってくれたが
俺には、そうすることは・・・・
出来なかった。
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