【完】ボクと風俗嬢と琴の音
4.琴子「運命とは自らの手を伸ばし壊すものである」




4.琴子「運命とは自らの手を伸ばし壊すものである」







1か月後。




「えい!!」

「ほりゃ!!」

「うりゃー!!」



琴音が動くたびに、赤い首輪の鈴がチリンチリンとリビングに鳴り響く。


猫じゃらしを右へ左へ揺らすたびに予測不能の動きを見せて、まだまだ子猫の時期のはずだけど、身体能力は高い。
さすがは猫。


猫が身体能力の高い生き物なのは何となく知っていた。
でもここまでとは…。



琴音とはよく気が合った。
いや…猫と気が合うのとかどうかと思うけど。


なんていうか気まぐれ?遊んでいてもいきなりそれに飽きてしまったり
遊んでいても飽きるタイミングが一緒だった。




ハルと琴音と同居生活を始めて1か月。


初めにハルに「一緒に暮らそう」と言われた時は何事かと思ったけど
そしてこんな自分でも初めて会った人にいきなり一緒に暮らそうと言われれば戸惑うわけで


けれどハルは誠実そうな人間に見えたし
何か面白そうだったし
そして今までだらしなかった自分が、自立出来る良い機会なのでは?とも思った。



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