エリートパイロットの独占欲は新妻限定


じっと見られている気がしたのは自意識過剰だったのか、それとも本当に熱視線だったのか。由宇が不自然だったのは明らかだ。

それからも落ち着きなく部屋をうろつき、どうにもじっとしていられないまま時間が過ぎていく。智也がバスルームから出た気配がしたときには、肩がビクッと弾むほど体が固くなっていた。智也が〝してくれる〟可能性は極めて低いというのに。

このシチュエーションがいけないのだ。異国の地、由宇が憧れていたバリ島のヴィラなんていう場所にいるせい。


「由宇」
「は、はいっ」


おかげで返事までおかしい。


「おいで」


ソファに座った智也に手招きをされ、まるでロボットのようにカクカクとした動きで隣に座った。


「なんか様子が変だな」
「ううん、全然」


普通だとアピールする。そのくせ相変わらず目は逸らしたままだ。
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