エリートパイロットの独占欲は新妻限定

◇◇◇◇◇

夕食を終えて部屋に帰ると、すでにお風呂の準備が整えられていた。バスタブにお湯を張っておくよう、智也がバトラーに依頼しておいたのだ。
アロマキャンドルが焚かれ、湯船にはプルメリアの花びらが浮かんでいる。


「由宇から先に入っておいで」


智也にそう言われ、ありがたくそうさせてもらおうと準備を始めた。

もっと早めにバリ島へ来ることがわかっていたら、大人っぽいパジャマを用意できただろうが、持ってきているのはなんの色気もない手持ちの夏用パジャマ。せめてインナーだけでもと思い、レースをふんだんに使ったカップ付きのキャミソールを忍ばせてきた。由宇の中ではセクシーな部類だ。

今夜もまた何事もなく朝を迎える確率の方が高いが、もしかしたらという場合もある。気合を入れて体を隅々まで綺麗にし、バスタブでゆっくりと温まる。
自宅と違う緊張感のせいか、なにも考えられずに頭の中は無だった。

髪の毛を乾かしてロマンチックなバスルームを後にし、智也と交代する。すれ違うときに目を合わせられなかったのは、智也の視線を感じたせい。
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