エリートパイロットの独占欲は新妻限定


タップして開いてみると、一緒にホノルルに飛んだクルーなのか、智也が数人の人たちと楽しそうに食事しているのが写真に収められていた。当然綺麗なCAも一緒だ。

……香澄さんも一緒だったんだ。

メッセージには【昨夜はちょっと飲み過ぎちゃった。ついさっきまでビーチで泳いでたの】と書かれている。
続けざまに水着姿のCAたちとデッキチェアに座っている智也の写真と、香澄と顔を寄せ合ったツーショットの写真が送られてきた。

智也のことをよく知らない由宇に、香澄が好意でいろいろと知らせてくれるのはわかっている。でも、送られてくるたびにモヤモヤしたものが募るのも事実だった。

自分は絶対にそこに行けないため、羨望と嫉妬が心と体をぐるぐる回るのだ。

無意識にため息を漏らすと、佐奈が「どうした?」と顔を覗き込んだ。


「旦那様から?」


首を横に振り、スマートフォンを佐奈の方に滑らせる。


「……見てもいいの?」
「うん」
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