エリートパイロットの独占欲は新妻限定
どうしてその夜にそんな予定を入れるんだろう。仲のいい香澄なら、智也の誕生日だって知っているはず。同期で集まるならほかの日にしてくれればいいのに。
鬱々とした気持ちが由宇の顔を曇らせる。
「どうかした?」
「……ううん、なんでもない」
急いで表情を明るく切り替えた。
香澄はきっと、智也の誕生日を盛り上げようとしているだけ。もしかしたら智也はみんなでワイワイやるのが好きで、由宇はそれを知らないだけなのかもしれない。
香澄の好意を変に勘繰る由宇の方がおかしいのだろうと気持ちを立てなおす。
「じゃオッケーかな?」
「はい。大丈夫です」
ふたりきりで過ごそうと思ったが、智也の付き合いも大事。それを邪魔する妻にはなりたくない。
由宇は笑顔を浮かべてうなずいた。