エリートパイロットの独占欲は新妻限定
由宇の頭をポンポンとして、智也は「いい匂いがする」とダイニングへ向かった。
急いで盛りつけ、手を洗ってテーブルについた智也の前に並べる。
「おいしそうだ」
「口に合うといいんだけど」
謙虚に言ったものの、父の和幸にも好評のメニューだったからじつは味に自信がある。
ナイフで切り分けたチキンを口に運ぶ智也が「うん、おいしい」と言うのを聞いて、心のなかで〝やった!〟とガッツポーズだった。
「そうだ。来週の水曜日の夜、同期のみんなと集まることになったんだ」
「えっ、来週の水曜?」
その日は智也の誕生日だ。
「なにか予定が入ってる?」
「あ……ううん、そうじゃないんだけど、智也さんの誕生日だよね?」
「香澄が、そのお祝いを兼ねようってね。もちろん由宇も一緒だ」
「香澄さん、ですか……」
出てきた名前が胸をチクンと刺す。