エリートパイロットの独占欲は新妻限定


方々から友人たちに言われ、どうリアクションしたらいいのかわからない。社交辞令だとわかっていても頬が熱くなる。


「ほら、由宇ちゃんが困ってるじゃない。あんまりみんなでジロジロ見ないの」


香澄がそう言ってくれたおかげで、みんなの視線が散っていく。ホッと肩でひと息ついたタイミングで「お待たせ」と智也が到着した。
由宇の肩にトンと手を乗せ、目を合わせてから隣の席に座る。


「おかえりなさい」
「ただいま」


小さな声でやり取りをすると、向かいに座っている友人から「あんまり見せつけないでくれよ」と突っ込まれた。

早速乾杯となり、みんなにスパークリングワインが配られていく。


「智也の三十三歳を祝って」


立ち上がって声をあげた友人に続いて全員が「カンパーイ!」とグラスを持ち上げる。思い思いにグラスを合わせる仕草をして、待ちわびたアルコールで喉を潤した。
そしてやっぱり由宇には馴染めない味である。
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