エリートパイロットの独占欲は新妻限定


ほかの女性たちの美しさにも同様に引け目を感じるばかり。いくら背伸びして色っぽいワンピースを着ても、内から滲み出るものはどうにもならない。子どもが母親の洋服を着ているような感じに思えて恥ずかしく、羽織っているものを脱げなくなる。


「由宇ちゃん、こっち」


香澄は手を引っ張って由宇をテーブルに呼び寄せた。


「こんばんは」


由宇の挨拶に同期のみんながにこやかに「こんばんは」と返してくれ、心細さが半減する。
香澄の隣の席を空けてもらい、由宇はそこに腰を下ろした。


「智也ももうすぐ着くっていうから、お酒はもうちょっと辛抱ね」
「はい」


今夜の主役は智也だ。


「由宇ちゃん、ほんとかわいいよな」
「十歳も下なんて、智也のやつ羨ましすぎる」
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