エリートパイロットの独占欲は新妻限定


「え? 時計!?」


みんなの視線が一気に智也の手もとに集まる。


「それ、ミシェルレインじゃないか」
「うわっ、ほんとだ」
「なんでそんな高級品?」


由宇でも知っている高級ブランド、絶対に手の出ないものだった。由宇の用意したパジャマとは雲泥の差がある。

大人っぽいワンピースを着て少しだけついた自信が、プシューッと音を立てて一気にしぼんでいく。


「こんなのもらえないよ」


智也が突き返すが、香澄は「いいのいいの」と譲らない。「そういえば、由宇ちゃんもなにか準備してるんじゃない?」と話を逸らした。
由宇が足もとのバスケットに置いた紙袋を香澄が覗き込む。


「あ、いえっ、これは違うんです」


あんなプレゼントの後では絶対に出せない。懸命に首を横に振る。
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