エリートパイロットの独占欲は新妻限定
「プライベートな旅行でも、つい時間管理をしちゃうんだよね。定刻に着くように計画を立てるのが、自然と習慣化されてるんだろうな」
「あ、じゃあ真島さんとどこかに出かけるときは気をつけなくちゃ。遅いって怒られちゃう」
「普段はそこまで時間に厳しくないって」
智也は少しだけ不満そうに由宇をチラッと見てから、クスッと笑う。
「いつか真島さんが操縦かんを握る飛行機に乗ってみたいです」
飛行機には何度か乗った経験があるけれど、智也の操縦は車の運転のように滑らかで優しそうだ。
「由宇は行きたい場所ある?」
「それならバリ島!」
元気よく答える。
「由宇くらいの歳ならハワイって言うかと思った。どうして?」
それは年齢差別だ。
「大学の友達が夏休みに行ったんですけど、すごくいいところだったって言っていたので」