エリートパイロットの独占欲は新妻限定
完全停止した智也の腕を深雪が小突き、そこで彼はようやく我に返ったようだ。
「あ、あぁ」
「すごくかわいいでしょ。由宇ちゃん、二重のラインが綺麗だし化粧映えする顔なの」
残りの三歩を大股で詰めた智也は、由宇の手を取って引き寄せた。ドキッとしている隙もない。
「と、智也さん!?」
「すごいなんてもんじゃない。言葉もないくらいにかわいい」
耳もとで囁かれた声にホッとすると同時に心をくすぐられる。
智也の〝かわいい〟は、ほかの人から言われるものとは違うように感じた。
そっと体を引き離した智也に今度は見つめられ、目の行き場所がない。忙しなくまばたきをして智也の胸もとあたりを見てハッとする。智也もカジュアルなスタイルからスーツに着替えていたのだ。
シルバーグレーのジャケットにサーモンピンクのシャツが映える。
「智也さん、素敵……」
ほぼ無意識だった。ぽろっと言葉をこぼすと、智也の目がシュッと細くなる。