エリートパイロットの独占欲は新妻限定


由宇に代わって香澄が頼んでくれたワインが運ばれてくると、グラスを合わせる真似だけしてもう一度乾杯する。ひと口飲んでみると甘いのか酸っぱいのかわからず、これが大人の味なのだと納得する以外にない。


「で、職場での智也だったよね?」
「はい。どんな感じなのかなと思って」
「同期の中でもずば抜けたエリートでね、機長にもっとも近い男って言われてる。先輩後輩問わず慕われているしね」
「やっぱりそうなんですね」


想像はついたものの、実際に近くにいる人から聞くと信憑性がある。


「彼、優しいでしょ?」
「はい、とても」


由宇を大切にしようとしてくれているのは、よくわかる。


「私に対してもいつもそう。風邪をひけばマンションまで差し入れを持ってきてくれたり、しつこい男がいれば彼氏のふりして撃退してくれたり。落ち込んでいれば親身になって励ましてくれるし、朝まで話を聞いてもらったこともあるの」
「そう、なんですか……」


友達の香澄に対してそこまで?と変に勘繰る。
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