エリートパイロットの独占欲は新妻限定
CAの機内アナウンスが終わり、今度は機長の機内アナウンスが始まった。便名や到着時刻、現地の天候などの案内の後しばらく間が空いたかと思ったら、アナウンスが機長から副操縦士の智也に交代した。
『当便の副操縦を担当しております真島です』
あまり意識して聞いたことはこれまでなかったが、副操縦士がアナウンスというのは珍しいのではないか。
マイクを通した智也の声がいつもより少しくぐもっていて、それがかえってセクシーに聞こえる。仕事をしている智也を感じられるのは、なんだかとても不思議だ。
『私事ではありますが、当便には入籍したばかりの私の妻が搭乗しております』
「えっ?」
おとなしくしようと努めていたが、さすがに声が出た。いったいなにを言いだすのかと鼓動が速くなっていく。
周りの乗客も〝なになに?〟といった様子だ。
『諸事情により新婚旅行もままならないため、今回はフライトに乗じて連れて参りました。妻はひとりで搭乗しているため不安に思っているかもしれないと、この場をお借りして私の声を届けさせていただいた次第です』