夢のウエディング イン イタリー
次の週、美和と拡嗣はリージェンシーグループ株式会社に予約を入れ、来社していた。

「どうですか?イメージは湧きましたか?」

「ポルトヴェーネレ、でしたっけ?あの風景がとても印象に残っています。でも、ボルゴ・ラ・バーニャイアのリゾート的雰囲気にも惹かれるし・・・迷っています」

と、美和。

「でも、美和ちゃん、あの断崖絶壁をハイヒールで歩くのって・・・大変だよ」

と、拡嗣。

「それはそうだけど・・・あんな建物、ディズニーシーでしか見たことない」

「あぁ、あのディズニーシーの建物は、ポルトヴェーネレがモデルになってるんですよ」

とサルヴァトーレ山田さん。

「そうなんですか?知らなかった!」

と2人。

「とりあえず、こんなのはどうでしょう?ボルゴ・ラ・バーニャイアで挙式をして、旅行でポルトヴェーネレを訪れるというのは・・・」

「いいですね」

と2人。

「じゃあ、今度いらっしゃるまでに、プラン、立てておきますね。日程ですが・・・挙式日程、大安だとか仏滅だとか、気にしますか?」

「私たちは、気にしないんですが、親がどう言うか・・・」

と拡嗣。

挙式に参列できない分、そのくらいの希望は叶えてあげたい。

「じゃあ、それも、次回いらっしゃったときに。今日は、ありがとうございました」

「ありがとうございました」

表参道から、新宿へ。オーダーしていた婚約指輪を取りに行った。

「はめてください」

美和が拡嗣に言って、拡嗣がリングをはめる。ぴったりだ。

「やっぱ、可愛い。ありがとう、コージくん」

「よかったのかなぁ、こんなんで」

「これがよかったの♡」

「そっか」

夕食は、回転寿司で。

「大安とか・・・気にするのかなぁ」

と美和。

「うちは意外と気にするかもしれないなぁ」

と拡嗣。

「帰って聞いてみるね」

新宿駅で拡嗣と別れ、東中野の駅に降り立って、美和は自宅に到着する。

「お帰り」

「ただいま。挙式が結構、現実的になってきたよ。挙式日程は、大安とか仏滅とか気にする?」

「う~ん、やっぱり、結婚式に仏滅はちょっとねぇ・・・」

「そうなんだ。やっぱ、大安吉日がいい?」

「できればね」

と美和の母。

「分かった。その方向で挙式日程、決めてみる」

「顔合わせが6月なんだから、あんまり近くならないようにね」

「わかってるわ。じゃ、お風呂入るね」

お風呂から上がって、拡嗣にメール。気にするみたい、と。

【そっかぁ。やっぱ、うちと同じだな。うちも仏滅NGだって】

【今度、サルヴァトーレさんに言わなきゃね。来週は会えそう?】

【う~ん、厳しいかも。再来週なら、なんとかなるかな】

【そっかぁ。じゃあ、再来週に予約、入れとくね。】

【よろしく。おやすみ】

【おやすみなさい】

そっかぁ、来週は会えないのか。趣味のビーズアクセ作りでもして過ごそうかな。
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