腕の中の静けさは・・・
すっかりパジャマ姿の天音がいくつかのポーチを持ちながらパウダールームに戻ってきた。


何度も見た光景。
出張前の準備。


オレがいるのに知らん顔で必要なものをポーチに詰めてゆく。

それどころか顔つきが少し楽しそう・・・



りこん。
サラって言ったけどそれってさ・・・


あぁーーーーもっ!!!




後ろから抱きしめる。


「そんな格好でなにしてるのよ。」

「話し合お?ちゃんと話しよ?」

「だぁーからその前にちゃんと着替えて」

鏡越しに言われる。



その顔が妙に色っぽくて首元にキスを落とすと


「もぉ、、やめて」って言いながら見つめ返される。


パジャマの裾から手を忍ばせて肌に触れる。
腰を押し付け両手を胸に持っていくとやっぱり鏡越しに目が合う。

目はそらさずに大きくゆっくり円を描いてゆくと目の前の天音のスマホが鳴った。
何事もないかのようにスマホをタップして声にする。



オモニ(お義母さ~ん)~(笑)どうしたんですか?】って。

え?あ?
えー?


その一言でヘンな罪悪感にかられて手を外しパジャマの上から天音の腰に手を回した。



【ふふ笑。オモニ(お義母さん)ってば(笑)大丈夫ですってぇ~もう準備はできてますから】

【え?あっは笑。そーですね。楽しみにしてます。あ、、はい。ココにいるので代わりますね】



そー言って手渡されるスマホ。
わけのわからないまま受け取ったスマホを耳に当てる。








【ユソナ~~~???聞こえてるうぅ~~~~?】

【ん、何?聞こえてるよ。って言うかなに?】

【あら、まぁー何おこってるのよ~やーねぇ~~(笑)】


【・・・・・・・】


なんか何もかもにイライラしてくる!


【あ!わかった!!あなた自分だけが仕事だからってスネてるのね~笑クス。】

【はぁ??】

【でもあなたが悪いのよ。こっちに来るくせに、しかも結構近いのにホテルなんて取るからいけないんじゃない(笑)でもね、いいわ。そんな親不孝息子は知らないんだからねー(笑)
ふたりのことは心配しないでめ~~~~いっぱい仕事しなさ~~い笑クスクス。】



やっと話しが見えたオレは戻ってきた天音の手を急いで取ると

オンマが耳元で何か騒いでたけど
【オモニ切るよ】ってスマホを置いた。






「ふふ・・・(笑)」


微笑んだ天音の腰と首元に手を置いて引き寄せた。







笑いが止まらない天音にキスをすると
「んふぁ、、」って途端に聞こえる甘くかわいい声。



深く深く繰り返すキスにお互い息が上がりそうになる寸前で天音を抱き上げ洗面台に座らせると合う視線。

オデコをあわせて整える呼吸が心地がいい。



「楽しんでたんすね?」

「んふ(笑)疑われてちょっと腹がたったけどスッキリした(笑)」

「悪い奥さんっすね?」

「そんなことないっすよ?悪い旦那さんだったので(笑)」

「ほんと、ごめん。」

「わたしも、、ごめんなさい」


チュって短いキスで仲直り。






「チケット取れたの?」

「うん。」

「オレも同じので行こうかな~」

「同じフライトだよ?」

「マジ?急によく取れたっすね?」

「急じゃないもん。計画してたもん」

「で、へ、、」

「ってゆーか私も出張なの(笑)」

「は?」

「だから会社がみんなやってくれた。ああ、会社じゃなくてウビンだ(笑)」



目の前でそういって笑う天音。


オレ、どんだけ好きなんだろう。
この人のこと。


いつまでも片思いのときみたいに良くも悪くもドキドキしてて
ひょっとしてこの人はまだオレのもんじゃないのかなって切なくなったりする。

シオンのオンマだけど天音で・・・
オレだけの天音で・・・



シオナ、ミアン。




確認済みだから素早く脱がせる。


「キャ!」

慌てる天音を気にしないで抱き寄せてキスを繰り返す。
触れる素肌が気持ちがいい。


あのままパウダールームでってのも悪くなかったんすけど
久しぶりだからちゃんと抱きたくてまたゲストルームに向かった。


シオナ?

頼むよ?お兄ちゃんになれるかもしれないんだからね?
なりたいでしょ?

だからさ?

ジャマしないでね?





ベッドに寝かせたと同時にパジャマとショーツをいっきに抜きとる。


「そんなに慌てなくても」ってクスクス笑った天音っすけど・・・


「また寸前でとかゴメンだし」

「まだ言ってる(笑)」

「ゆーし!ずっと、ずーっとゆーし」

「シオナにアッパーはしつこいからって教えなきゃ(笑)」


「そーっすよ。しつこいよ久しぶりだしね笑」

「なぁっ、」




慌てた天音の言葉を飲み込むと


ココ何日かのふたりのすれ違いと日本とか離婚とかが妙なスパイスになって
なんかすごーく刺激的。

甘い甘い声と揺れるボディーラインが先を急がせるけど
オレね、しつこいっんすって(笑)



それならね。(笑)

そーぉんな感じで、、(笑)











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