腕の中の静けさは・・・
「ウビナ、、、ありがと。気持ちだけで十分だよ。ウビンだけじゃない、オレだってそんな天音のことはそばにいても止められないよ。オレが居てもムリだったと思う・・・・・
だからそんなに自分責めないでくれよ。そんなウビン、天音も怒るって。な?そー思わない?(笑)」


なにも答えないウビン。





「シオン、、なんてさ、聞いたら余計っすよね・・・ほおっておける訳がないっすもん」

何度もうなずくウビン。






「って!その子は?!無事なんすか!!オレ今までなんで気付かなかったんだろう、ね、ウビン!どうなの?」


「ん、その子はかすり傷だけ。天音が抱きかかえるように飛び出して守ったから・・・」

「そっか、、よかった」



「そのかわりに天音が車道に投げ出される形にな、、、」

「ん、、そうなるよね」



「でもアイツもとっさに守ったんだよ。」

「ん?」

「お腹・・・」


「ぁ、、」


「オレが駆け寄ったら身体丸めててさ、朦朧とする意識の中お腹に手をあてて
赤ちゃんって、、守るって約束したのって、ユソンって、、繰り返し何度も何度も言ってた」


「そんな約束、、、っ、、オレだ、、、、オレとそんな約束した、、カラ、、ぅ、、、」

「そんな約束って、、、そんなじゃねーだろ?お前たちの大切な命だろ、守って当然の命だろ!!それこそ天音が聞いたら怒るぞ!な?ユソン、、」


「でも、、、、でも、、、オレ、、、と約束しなかったら、、、、」


「そーじゃねーだろ?約束とかの話じゃねーだろ?約束するとかしないとかの話じゃないだろ?アイツは母親として当然のことしたんだろ?ふたりの大切な命守ったんだろ!!しっかりしろよ!なぁーユソン!!」



わかってる。
わかってるけど、、、


ガラス越しの天音をみつめる。









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