腕の中の静けさは・・・
がさごそ聞こえる。

カノン?って聞こえたシオンの声。


コホン、、小さく聞こえた咳払い。



シオンの気配・・・





【もしもし?シオニ?大丈夫?】

【ぁ、、うん。平気】

【カノンもしかして泣いてた?】

【ん~~(笑)。でも大丈夫だよ。心配いらないって】





きっと優しく涙を拭い抱きしめたんだろう。
頼もしく育ってる・・・



【アッパ?】

【あ、、うん。髪ちゃんと乾かしたか?】

【もちろん。それより時間平気なの?】

【ん、もう少し大丈夫】

【そっか、急に呼ばれて大変だったねアッパ。眠れた?時差平気?】

【ん、、まぁ、、なんとかな、】

【眠そうだね(笑)。オンマは?もう行ったの?】

【うん、ちょっと前にね、天音も話したがってたんだけどね】

【気にしないでって言っておいて?僕たちは大丈夫だからって】

【ん、わかった・・・】


堪えるのに必死、、、







【アッパ?眠い?起きてよ?会社行かなきゃオンマ待ってるよ】

【ああ、そうだね】

【ん、、、、、アッパ?】

【ん?】

【う、、んん。なんでもない。オンマにもがんばってねって伝えて】

【うん、わかった。必ず伝えるから】

【うん、アッパ行ってらっしゃい】

【おやすみシオナ】







もしかしたら何かを感じているのかもしれないシオン。


その後オモニからも連絡があった。



オレまでソウルに行ったってカノンが泣いてたこと、シオンが元気がないこと。

そして、、シオンにはちゃんと話したほうがいいって言われた。



シオンが何を感じ取ってるのかはわからないけど
あの子のことだから下手に嘘をつくのはよくないと思うって言われた。


確かにそう思う。

でもどうやって話せばいい?
事実を伝えるのはあまりにも辛いんじゃないかって・・・


でもこのまま話さないのも、どこまで誤魔化せるかわからない。




とはいえ、ソウルに呼ぶにしても今の天音を見せることなんて出来ない。

出来るわけがない。






ゆっくりベッドから起き上がり身支度を整えてダイニングに腰を下ろす。

コーヒーを飲み天音が作ったポトフを食べて家を出た。




大通りに出てタクシーを拾う。









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