腕の中の静けさは・・・
明るい光に目を覚ますと天音がオレを見ていて「おはよぉ」って・・・

また泣きそうになるのをグっとこらえた。



普通がこんなにもうれしいなんて・・・

段差なく並んだベッドの中から手を伸ばし触れた手を包み込む


「あったかい・・・」って言った天音に速攻近づいてキスをした。


笑、、

あれ?




「・・・・・・・」


何も言わないから



「えぇ、、(笑)、なんか言わない、すか?」





「・・・・歯、、みがきたかった」



「、、、、、ぇ、じゃぁ磨く?」

「・・・・・」


「歯?」

「・・・ウン」





夢、、じゃないすよね。






そのあと、検温に来た看護師さんに急いでお願いして歯を磨いてもらった。

オレも一緒に・・・(笑)。






「次からはボクがします!」って言ったら笑われて、、

「そうですね、次からはご主人にお願いします」ってまた笑われた。


「もう少ししたら点滴変えに来ますね」

「はい、おねがいします」


ドアの前まで見送って急いでドアを閉める。





振り向くと天音もこっちを見ていて急ぐ気持ちを隠しながらゆっくり近づいた。

ふふ、って笑うから恥ずかしくなって管をよけながらベッドに肘をつき身体を乗り上げた。





「ぇ~~~~クス」って天音が楽しそうに小さく笑ったのを確認してから
静かにゆっくり、、くちびるをおおった。







チュ、

チュ、、、

チュ、チュ、、、、、チュッ



苦しくないように優しく小刻みに、、、、



歯磨きをしてもらった冷たい天音の唇がオレと同じ温度になってゆく


何をしても感じられる幸せ。

今、オレの腕の中に感じる幸せが大切で、、、

そう感じられる今が大切で、、、



天音はここでずっと笑ってて?

オレの幸せは天音がこの腕の中にいることだから・・・・




守るよ。

この腕の中で守り続けるから

だから、、安心して笑ってて。



その後の天音の回復力は驚くもので先生にまた「奇跡」って・・・










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