腕の中の静けさは・・・
夕方ソウルに着き病院へは行かずにマンションへ。


カノンはソワソワわくわくと言ったところ。

シオンと風呂に入り眠ってしまった。



シオンとは何度も視線がぶつかるけど何も言わないシオンに何も言えないオレ。






ふたりが寝静まった寝室。

1週間のためにこんなにもジュエリーやコスメを持ち込んでいた天音。



時間が戻ったみたいにココだけがあの頃のまま



そぉ・・・天音がココにいたこと。

確かにココにいた事をオレに教えてくれていた。





確認はしてこなかったけどたぶんバージニアの家のドレッサーの中は空っぽなはず。
ジュエリーに関してはほぼココにあるんだと・・・


偶然見つけた3通の手紙。


手にしたと同時に溢れ出す涙。






開けずに

正確には開けられずに元の位置に戻し引き出しを閉じた。


















次の日の朝チャイムが鳴る。
ヒョンと奥さんと子供たちだった。

すぐに駆けつけてくれたヒョンとは病院で何度か話していた。

子供たちがうれしそうに話している中、天音の状況をヒョンと奥さんに話す。




「オマエ1人に任せて悪かったな」

「そんなこと」

「もう歩けないってことは話せたのか?」


カノンたちと一緒に居るものの全神経はこっちにあるシオンがピクって反応した。

そんなシオンを気にしながら話す。





「あまね、、気付いてました。」

「やっぱり」

「はぃ、感覚ないって、まだ少し残ってる痺れがあるから車イス練習しないとって」

「心配かけまいとって天音ちゃんらしいわね」

「そうですね。」


トコトコって歩いてきたシオンがゆっくりオレの横に座った。

そんなシオンの頭にポンって優しく触れたヒョン。
オレの腕に絡みつくシオンの手を強く包み込んだ。




「ねぇユソナ?カノン、オンマに早く会いたいよ」

コクンって喉が鳴る。









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