腕の中の静けさは・・・

twenty

「いらっしゃい」

「どうなの?天音ちゃん」

「うん、オモニありがとう。少しずつではあるけどよくなってるんだと思うよ。」

「そぉ、、よかったわ。」



「子供たちは学校か?」

「そうだね、学校にもすぐに慣れて楽しそうだよ」

「そうかよかったなユソン」

「うん、アボジありがとう」



「あ、これね」ってオモニから渡された書類。






アメリカのスクールからで一度アメリカに戻って欲しいという内容のもの。

ふたりが通うスクールはとても厳しいことで有名で年に2回入替えの試験がある。

アメリカ全土から入学希望者がいて成績が悪くなると生徒の入れ替えが行われる。
入れ替えでスクールが変更した生徒は全土にある枝分かれのスクールに編入になるのだ。

今回の試験はその試験のための合宿が3日間行われるため戻って欲しいとのこと。



すっかり忘れてた。


天音との再会に話に夢中になっているふたりに声を掛け
学校に子供たちを迎えに行って病院へ戻りアボジとオモニを乗せマンションへ帰る。


「ん~~ハルモニのご飯♪おいしっ」ニコニコのカノン。

「え~~カノン?それはどういうことっかな??アッパのご飯だって美味しいって言ってたジャン!」

「うへ(笑)ユソナのも、、おいしいよ?でもねハルモニとオンマにはまけるよぉ~~きゃはは(笑)」



いつもより賑やかな食卓。
沢山の笑顔に笑い声。

子供達も嬉しそうで・・・

ここに天音もいたらなって、ふと、思う。


食事の後、試験合宿のことを二人に話す。






「ユソナも帰る?」って不安そうな声を出したカノン。


「ん、、そうだなぁ、、帰りたいけどオンマ1人に出来ないしな・・・」

「そうだよカノン。オンマ1人にしちゃかわいそうだよ。ね、、ボクがいるでしょ?」

「・・・シオナ・・・う、、ん」




オモニは困ったような顔。
前々からオモニには言われていた。

あなたとシオンはカノンを甘やかし過ぎよ!って。

その時はだってかわいいもんはしょうがないよなってシオンと笑ったんすよね。




アボジの手をギュって握ったカノンを優しく抱き寄せたアボジ・・・


「それは行かなきゃダメ?」

カノンの一言に呆れ顔のオモニ・・・





「うん、行かなきゃ。カノンは今のスクールじゃなくなったらイヤでしょ?」

「ん、、、それはイヤ」

「明日オンマとも話さなきゃね」

「ん、、オンマさみしいって言わないかな、、カノンとシオニ行っちゃったらさ・・・」

「んん(笑)そういうかもしれないね。」



必死なカノンがおかしくて笑ったらにらまれた。(笑)アハ









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