腕の中の静けさは・・・
「あ、、、」

会釈を交わす。




そこに居たのは天音が助けたシオンくんとご家族だった。



奥さまはシオンに抱きつき泣いていた。

戸惑うシオンがオレを見あげる。


ご主人に諭されるようにシオンから離れる奥さまと会釈を交わす。





シオンは何か感じたのか、、や、、たぶん理解したんすよね。

自分より小さいシオンくんを何ともいえない表情で見つめていた。





「伺うのが遅くなり申し訳ありませんでした」

「そんなとんでもありません。こんな遠いところにわざわざお越し頂きありがとうございます」



シオンとカノンと手を繋いでシオンくん家族の背中を見つめる。

途中カノンが「ユソナ?だれ?」って聞いてくるけど「うん・・」って言ったっきり。
でもそれ以上聞いてくることはなかったカノン。



きっとわかっていないシオンくんが小さな手を合わせ「ありが、、と」って・・・

聞こえたその声にシオンの手がぎゅぅぅ、、ってオレの手に強くからみつく。


オレも握り返した。

カノンが赤ちゃんって言ったシオンくんの妹さんは、ま、、カノンからしたら赤ちゃん。
やっと歩き始めた感じのかわいい女の子に興味津々のカノン。




「カノン?」

「ん?」

「遊んであげたら(笑)」

「え!いい?」ってシオンくんのママに問いかけた。


少し得意そうな顔をして手を引きながらゆっくり歩くカノン。(笑)。
ご主人がついていってくれた。









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