腕の中の静けさは・・・
パーティーは会社のみんなが主催してくれていて

天音の元カレのルイも

オレの元カノのソルミもどういうわけかその会場に居たから・・・





正木がこっそり『ルイがいる』って教えてくれた。


オレはルイの顔を知らなかった。

どうでも良かったから・・・




気にならなかったって言ったらウソになるけど

どうでもよかった。




オレのそばにいたいって言ってくれた天音で十分だったから・・・


正木の視線の先を追うと

そこにはいかにも何もかもがパーフェクトな感じの男がいた。



ふっん!ふざけんな。

天音を見つめたままのルイ。




いまごろ後悔したっておっせぇ~んだよ!

っていうか、もぉオレのもんだから!!!


天音を裏切っておきながらよくココに居られるなって呆れたオレだった。




こんな最高な女ほかには居ねぇーぞ?

どうして手放したかオレには到底理解できないけど、オレはそんなルイの浅はかさに感謝なんすけどね。


だから天音がオレのものになったんすから・・・



でも天音もルイには気付いていて

はぁ・・・ちょっとなんか、、こ~~ムズムズするって言うか・・・




オレは別れて3年も経ってたし

もうそう言った感情もなかったからなんでもなかったけど

きっと天音はそうはいかない。




だってキライで別れたわけじゃないから・・・


あのときの天音をオレは知ってるから・・・




オレと同じようにルイの視線も天音から離れない。

オレの気持ちなんか知らない仲間に囲まれながら気が気じゃなかった。


だけど一瞬オレを見て微笑んだ天音。





『え?』


すぐそばにはルイがいて慌てたオレを止める正木。




『離せよ』

『バカか。オマエはここにいろ。オレが行って来る』

『は?バカはどっちだよ。オマエが行ってどぉす・・・ぁ?』



ルイと一緒にこっちに歩いてくる天音と目が合った・・・










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