腕の中の静けさは・・・
『ユソンさん』





『はい』






『彼女を・・・よろしくお願いします』

『はぁ?』






なんだそれ!って腹が立った。







『実は離婚したんです。』

『え!』





『先月です』


『それ天音は知ってるんですか?』

『いいえ。彼女も会社の連中も知りません』

『・・・・・・』

『娘は僕が引き取りました。今、僕の実家で一緒に住んでいます』




コイツなにが言いたいんだ!!






『そうだったんですか。それは大変でしたね』

『ん、、大変だったって言えばそうかもしれませんが娘がいますから』

『そうですね。』




『あなたの横で幸せそうな彼女を見て安心しました。あんな別れ方をしてずっと気になって心配していたんです』





『・・・・・・・・』

『あの時の彼女を支えてくださったのがパクさんだと同僚に聞きました』


『いえ、支えていたなんて。ボクが彼女のそばにいたかったんです』

『そうですね。そんなあなたがいたからこその彼女のあの笑顔なんでしょう』

『だといいんですけど』



『アハハ(笑)なんかやっぱり悔しいな』

『え?』






『や、なんで僕がとなりにいないんだろうって悔しくてね(笑)』



その笑顔の意味がわからねぇー!!




でもココで何か言ったらブレーキが利かない様な気がして言葉をぐっと飲み込んだ。
















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