腕の中の静けさは・・・
『なにがあった?』


途端に肩が何度も何度も小さく揺れる。

オレは背中を撫でながら泣き出した天音が落ち着くのを待った。



天音らしいって大笑いした正木が教えてくれたこと。



今回の出張は日本からの引継ぎで持ち込まれたもので、誰でも良かったわけじゃなく
天音がずっと関わってきたものだから天音が適任という上司の判断での話しだったこと。


でも話が難航していて先方がひどく厄介な人物だってこと。

先方直々に天音の名前が挙がっての今回の出張だったこと。





きゅって回された腕

『大丈夫?落ち着いた?』

『ん・・・・・』


とはいえまだ泣き止んでは居なくて顔をのぞく。



何か言いたげにオレを見つめる瞳からポロポロ溢れてくる涙は止まりそうになくて

すごく心配でたまらないのに新婚早々独りぼっちにされたことや


5日も離れてた寂しさに勝てずに頬を包み込んでキスをした。





何度も何度も交す口付けは徐々に熱を帯びて5日ぶりに身体を重ねた。




新婚なのに5日ぶりってなんだよっていいたいところだけど

腕の中で静かに微笑む奥さん・・・





ん・・・・・ン

やっぱりたまんねぇ~や・・・アハ。






『ユソンごめんね』

『もぉゴメンは聞き飽きた~~~』

『ん、ごめん、ぁ』

『大変だったみたいすね。今回の出張・・・』

『聞いたの?正木?』

『しかいないっしょ。なんで話してくれなかったの?』



『・・・・・・・』

『オレじゃ頼りにならなかった?』

『そんなんじゃない。そんなんじゃないよユソン・・・』



ん、わかってる。
きっとオレの状況も知ってたんすよね。


オレもオレでかなり大きな企画を抱えていてちょっとイライラしてたのも事実だったから。













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