腕の中の静けさは・・・
さっき疲れてるんだよなって心配したことちょっとだけ損した気分

って言っても絶対つかれてることは確かだから、やっぱり心配なんだけど・・・



見つめる先には、うっとりしながら花びらが浮かぶバスタブにつかる天音。






悔しいのに不覚にもキレイだなって思うオレ。





『なんで?』

『なにがっすか』

『なんでハダカんぼ?』

『風呂は裸で入るって決まってる!脱げっ。早くぬげぇ~~~~~』

『やだよ。』

『っ!!』








まぁまぁ・・・
そんなことで言い争うのもね。

いい大人なんすから・・・

結婚したんだし・・・

オレだんなさんになったんだし・・・・・





ふぅぅぅぅ・・・・・・・



長い長い呼吸でキモチを落ち着かせようと頑張った。



海を見つめるように一緒にバスタブにつかる。







なぁ~~~~んにもない。





海と空。

青く澄んだ海と空だけが広がる。





しばし言葉を失う。

あまりの壮大さになんか心がスゥ~~ってリセットされる気分。



天音が隣でクスクス笑ってる。




隣って言ってもさすが水上スウィート。

かなり広いバスタブ。
手を伸ばしても届かない。



でもなんかキモチが良くて目を閉じた。



今度は何も聞こえない。





そよぐ風の音が優しく耳に届く。

それも微かに・・・






とにかく、すっげ~キモチがいい。




『キモチいいね』

さっき感じた風以上に優しい声が耳に届く。





何も言わず目を開け天音を見た。



そこには本当に幸せそうに微笑む天音がいて・・・





あ~~~~もぉ~~~やっぱりムリ!!



ジャバジャバ近付いて
真っ直ぐ伸ばされた天音の両足を跨いで逃げられないようにキスをした。












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