満月の夜異世界へと繋がりました
突然割れるような痛みが私の頭を襲う、痛い!痛い!苦しい!
痛みが襲うなか誰かがあたしを抱き上げて歩いている…これはもしや王子?


更に痛みが身体を駆け巡る
痛みの余り歯を食い縛りシ−ツを掴もうとすると王子の手があたしの手を掴んでいた


「美結、その頭の痛みはおそらく呪いの類に間違いないだろう」


「のっ…呪い?」


「そうだ、呪いだ。幸い痛みはまだ頭痛だけだがこのまま放っておけば痛みが全身に周り最悪死に至る」

……?!


「呪いを解く方法は色々あるが見たところかなり強い呪いのようだ、だから俺が直接美結に魔力を注ぐのが一番安全で手っ取り早いがいいか?」


王子の言葉に黙って頷く
信じられるのは今、目の前にいるこの人だけ!無意識に手を握りしめると王子も頷いたのがわかった

「俺はこれでもリルモンド帝国では父親に継ぐ高位の魔法師だ。美結、直接俺の魔力を注げば身体の中ですぐ浄化されるだろう…言っておくが直接注ぐというのはお前を今から抱くと言うことだ、いいか?」


無意識に涙が流れていたのだろうか
王子はあたしにそう問いかけると指先でそっと涙を拭う
再びあたしが頷くと王子はそれが合図で有るかのように自分の服を無造作にその場で脱ぎだした








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