満月の夜異世界へと繋がりました
「陛下、ひとつ聞きたいことがあります」
「なんだ?言ってみなさい」
「母の娘だとすると・・・・もしやあたしは陛下の?」

国王陛下はあたしの問いかけに大きく目を見開いた
と、同時に王子も何か思うことがあったらしく陛下のことをじっと見つめ返していた

「・・・・違う」
「父上?違うとはいったい・・・・」
「美結さんがわたしの娘なのかと聞きたいのであろう?」

わたしは陛下の言葉に黙って頷いた
どきどきしながら言葉を待っていると陛下はわたしに微笑みを浮かべながらゆっくりと話し出した


「美結さんは異世界に行ってからケンとエリーの間に出来た子供だよ、それは間違いない」
「良かった・・・・美結と血が繋がっているかと思った」
「わたしとの間には子は出来なかった・・・・でもまさか彼女の忘れ形見とこうして逢えるとは思ってもみなかった、どうりで彼女によく似ているはずだ」
「でも、何故異世界に行ったんでしょうか他国でも良かったのではとわたしは思うのですが」


「それはもうわたしにはわからないが思うになんのしがらみもなく自由に生きたかったんじゃないだろうか・・・・常々よく彼女は言っていたよ、貴族は面倒だ自由が欲しいってね」

「自由・・・・・「美結、この際だから言っておく俺の妻になるのはお前しかいない王族に嫁ぐのは自由がなくなるししがらみも多くなる・・・・だが俺にはお前が必要だ考えてみてはくれないだろうか」

王子・・・・
あたしが王子の妻?
あたしはそれでいいのだろうか、不安が全くないとは正直言えない
あたしに将来この国の王妃になる覚悟なんて・・・・
好きってだけで飛び込んでいいの?
あたしは今どうしたい?

「王子、美結さんはこの国では平民という身分にすぎない・・・・そなたの伴侶になるには越えねばならない壁がいくつもあるのはわかっているのか」

「父上、彼女は聖女にしか使うことが出来ない聖魔法を使うことができます」
「・・・・・ま、誠か?!」
「父上の病状が好転したのも彼女の魔力が聖女と同じ魔力を持っているからにほかなりません!なので他国に狙うものも現れるやもしれません聖女と同等の力を持っているならわたしの伴侶としても遜色ないかと・・・・」



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