満月の夜異世界へと繋がりました
人間って不思議なものだと思う
もの凄く驚いた時って声も出なくなる…よくドラマとかでキャ−とかって声がするけど本当は違うってことがわかった


だって今のあたし固まったまま動けないでいるし…しばし固まったまま数十秒…気力を振り絞り我に帰ってやっと言葉を発した


「あ…あ…え?…は!だっ誰?」


「誰とはこっちの台詞だ!貴様何奴?!」


「ってか、じろじろ見ないでよ!」


「み…見てはおらぬ!」


どうしてこんなことになったのだろう、何気なく見たお風呂場の鏡
その中に映っていたのは例えて言うならおとぎ話の王子様


銀色の艷やかな髪、少し浅黒くキリリとした瞳が印象的な超絶イケメン男がそこにいる
きらびやかな彫刻が施された白で統一された部屋が背後に見え素晴らしく豪華こんな部屋に住んでいるってことはかなりのお金持ちか権力者
 

と、咄嗟にそんなことが頭を駆け巡る
でもちょっと待って!なんでこの見知らぬ男が鏡に映ってるの?おかしい!絶対おかしい!一度冷静になるのよ!
ひとつ深呼吸をすると再び鏡を見る


やっぱりまだ映ってる
ってか何でそんなに顔が真っ赤?
この人誰よ!


途中で自分が裸だってことにやっと気が付き全裸を見知らぬ男に見られたってことにかなりショックをうけたけど事態を把握しなきゃって思い直し急いで着換えを済ませた






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