愛され女子の激甘コレクション
「俺は……俺は…………」

獅月は苦しそうな顔で眉を寄せる。
話したくないことだってことは解る。

でも、私は聞かなくちゃいけない。

「人狼……」
消え入りそうな声で獅月は話し始めた。

お父さんは狼男、お母さんは人間。
変身したのはもう12年ぶりぐらいだ、と彼は自嘲気味に笑う。

ハーフの獅月は極度に興奮した状態と満月が重ならないと変身はしない。
それでも、興奮することはずっと避けて過ごしてきた、と。

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