愛され女子の激甘コレクション
背中越しに小さな声で獅月が「本当に、俺でいいのか?」って呟いた。

「当り前でしょ。獅月じゃなきゃダメなの。狼でも何でも、獅月じゃなきゃダメなんだよ」

「俺も、本当は真梨といたい。でも自分が信じられなくて、怖い……」

振り向かない獅月の前に回って、自分から唇を重ねる。

キスには応えてくれなかったけど、構わずに私は舌を絡めた。

「獅月は、私のこと、食べなかったよ。んっ、姿が変わっても、ちゃんと止まってくれた。だからっ、だい、じょうぶ……」

迷っているみたいに小さく引っ込んだ後、私の一方的なキスに獅月の舌が応える。
今までで一番深い口付けの後、獅月が言う。

「真梨が俺を信じてくれるなら、俺も自分を信じる」

「うん」

頷いた私の肩口に温かいものが触れる。くすぐったくて、私は身体を震わせた。
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