愛され女子の激甘コレクション
「はい……」
小さく頷くと、仁志さんの表情が苦し気なものに変わった。

「ごめん、美春。僕はもう、今までみたいに傍にいるだけじゃ満足できないんだ。美春に触れたくて、キスしたくて我慢できない。それでも君は、僕を受け入れてくれる?」
恥ずかしくてこくんと頷いたら、顎の下にかかった手に上を向かされて、薄い唇が近づいてきた。

初めての感触に硬直する。

「唇開いて」という言葉に従ってそっと開くと、温かくて艶めかしい舌が私の咥内を味わってきた。背中からじんわりと登ってくる快感に力が抜ける。
「舌出して」なんていう恥ずかしい命令にも逆らえない。

彼の唇は私の舌を挟んで吸い上げる。
「美味しい」と耳元で囁かれて、私は初めての声を上げた。

ファーストキスは、私の苦手なブラックコーヒーの味。

頭が痺れるのはカフェインのせい……?

放心した私の肩とお尻の下に腕が差し込まれて、仁志さんに軽々と持ち上げられる。運ばれていく場所は解っていたけど、恥ずかしくて目を逸らした。

いつもダブルベッドの端と端で落っこちそうになりながら眠っていた二人。
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