極秘出産のはずが、過保護な御曹司に愛育されています
 未来は自分の背丈よりも大きな水槽や、色とりどりのお魚、空を飛ぶように泳ぐペンギンに感激し大喜びしていた。
 
 お土産に大きなペンギンのぬいぐるみやキラキラしたキーホルダーまで買ってもらった。
 いくらなんでも、甘えすぎだ。

「文香。俺が文香と未来ちゃんと一緒に過ごすのは、迷惑?」
 
 瞳を潤ませた未来に加え結貴にもじっと見つめられ、さらに言葉に詰まった。
 
 結貴の好意には感謝してるけど、このまま甘えっぱなしというわけにもいかないし……。

「じゃあ、今日は私がごちそうする」
「そんなの、気にしなくていいのに。俺は自分がしたくて文香と未来ちゃんに会いに来てるんだから」
「でも、おごってもらってばかりじゃ、私の気が済まないの」
「相変わらず、真面目で強情だな」

 こちらを覗き込みながら結貴は目元を緩ませた。
 その表情が優しくて、心臓が小さく跳ねる。

「一応断っておくけど、結貴がごちそうしてくれるような豪華なものは無理だからね」
「だったら、ママがごはん作ってあげたら?」

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